■日本で発売していても、『日本仕様じゃない』ってどゆこと?
格安スマホが流行してから、約1年程度。
これまではどちらかと言うと、格安スマホに知識がある方の乗換えが多かったようですが、最近ではその認知度と共に、あまり知識の無い方の導入が増えてきました。
それと比例するように、色々な苦情が消費者センターなどに来るようになっているそうです。
その苦情の中の一つに、今回のお題にもある『通信バンド』での不具合があります。
知っている人には常識の範囲でも、知らない方が多いのも事実。
『日本で発売しているのに、日本ではまともに使えないなんておかしい!!』
そんな声もひらほらあるようです。
今回は、そんな『通信バンド』で困らないために、簡単ですが説明をしたいと思います。
■そもそも『通信バンド』ってなんなの?
日本を含む世界の携帯電話は、「バンド」と呼ばれる周波数帯別に通信ができるようになっている。
各国での契約は必要だが、通信方式とバンド帯が一致することで国が違っても同じスマホで通信ができるのだ。
そのため、日本で購入したSIMフリースマホでも、海外のSIMカードを装着すればその国で通信を利用できるというわけだ。
http://news.livedoor.com/article/detail/9926841/より引用
上記はライブドアニュースさんからの引用です。
ざっくり説明すると、ドコモやAU,SBはある決まった、周波数を使って通信を可能にしています。
その周波数のことを『通信バンド 』と呼んでいます。
■ではどういった通信バンドがあればいいのか?
あれこれ難しいことを言ってもしょうがないし、私も語れるほどの知識があるわけではありません^^;
そこで、どういったバンドがあれば良いのか?対応して入れば良いのか?
そこに注目してお話しします。
まず格安スマホの多くは「ドコモ」さんのSIMになりますので(MVNOがドコモから回線を間借りしているため)ドコモさんのバンドを気にする必要があります。
ドコモが対応しているバンド(Bandと表記)はこちら。
「LTE」
Band 1・・・2GHz帯または2.1GHz帯
Band3・・・1.7GHz帯または1.8GHz帯
Band19・・・800MHz帯
Band21・・・1.5GHz帯
Band28・・・700MHz帯 *2015年から運用
こちらが「LTE」の対応バンドになります。
また、ドコモは通話を3G回線で行います。(VoLTE未対応機のみ)
ですので、3G回線の「W-CDMA」も注意する必要があります。
「W-CDMA」
Band1 ・・・2GHz帯または2.1GHz帯
Band6 ・・・800MHz帯
Band9・・・ 1.7GHz帯または1.8GHz帯
Band19 ・・・800MHz帯
以上がドコモの対応バンドになります。
次に、例として『ZenFone 2』の対応バンドを調べます。
タブレット | ZenFone 2 (ZE551ML) | ASUS 日本より引用
この表の見方は
3G :W-CDMA 800(6)
となっていれば、3G回線は(6)つまり、Band6に対応しているってことです。
この表から分かるのは、『ZenFone 2』はW-CDMA(通話回線)はBand1.2.5.6.8に対応。
LTEはBand1.2.3.4.5.6.8.9.1819.28に対応していることになります。
ちなみに2G回線は現在日本では使っていない回線なので、日本で使う際には関係ありません。
ただ、海外に行くと使用している地域もあるので、そういった際には使えます。
この表から、『ZenFone 2』はかなりのバンドに対応しているので、かなり通信が安定していると言えます。
■日本の全てで通信バンドが適応するわけではない?!
さて、ここからがちょっとやっかいな話題になってきます。
先ほど言ったように、ドコモさんはLTE、3Gともにかなり多くの周波数(バンド)を持っています。
しかし、この全てが日本のどこででも供給されているわけではありません^^;
この全てのバンドが対応しているのは、大きな都市部のみ。
逆を言えば、都市部に住んでいればバンドのことは、そんなに気にしなくても良いです。
ですが、私の住んでいるような田舎や山間部などでは、話は別。
NTTドコモ -エリアマップ-より引用
これはドコモが提供する、LTEのエリアマップです。
注目するところは、速度が速いオレンジ色のところではなく、ピンクや薄いピンクの速度が遅いところ。
この地域で活躍するのが、『Band1.19.21』と言った回線です。
ですので、これらのBandに対応していない機器でしたら、最悪LTEは使えない・・・
そんなことになります^^;
■実は対応していない機種がある?!
でも、日本で発売されているモデルだから、当然カバーしているでしょ?
なんて思ってはいませんか?
そんな方はこちらをご覧下さい。
Huawei - honor6 Plus - 携帯電話 - スペックより引用
こちらのスペック表は、楽天モバイルさんのみで販売している『honor6 Plus』のものになります。
この表から分かるのは、LTEはBand1、3,7にしか対応していないということ。
先ほど上げた、ピンクの地域で活躍するBandは『1.19.21』でしたから、この機種では実際にはBand1しか使えない状態に・・・
Band1に対応しているので、まったく使えないってことはないでしょうが、実際には電波が掴みづらい・・・
そんな状況が予想されます。
ではなぜこのような対応になっているのか?
それは、世界の多くではこれで十分だからです^^;
このhonor6 Plusは海外で発売を目的にされた機種ですので、当然と言えば当然なんです。
このように日本で発売されても、日本に合った機種ではないことはそんなに珍しいことではありません。
■特に気をつけたいのは、『Band 19』
こういった記事を読んでしまうと、これから対応バンドが気になってしまうと思います^^;
その中で、特に気をつけるとしたら『Band19』に注目してください。
このBand19とは、ちょっと前に流行った言葉『プラチナバンド』と呼ばれている周波数になります。
このバンドは、速度こそそこまで速くないですが、その特性上、障害物や駅地下など、電波が届きにくいところでも、届きやすい特性があります。
また、他のBandに比べて、安定をしていることが多いのも特徴です。
ですので、このBand19に対応していると、電波をより安定してキャッチすることが期待できます^^
これは、田舎とかだけではなく、都会でも路地裏などの電波が比較的悪くなりがちなところでも通用するので、どんな方でもほぼ『必須』のBandになります。
無くても使えはしますが、無いと不便になる可能性があるのが『Band19』です。
■特に海外からの輸入品には注意!
現在海外からの並行輸入などで、スマホを買うことが出来ます。
海外のスマホの多くは『SIMフリー』なので、日本の技適さえあれば、使うことが出来ます。
さらに、円安などの影響で日本で買うよりもお安く買えることがあったり、日本未発売意のモデルが買えたりと、ちょっとした話題にもなっています。(特にZenFone 2の時は話題になりました)
しかし、いくら日本で使えると言っても、その機体は『海外モデル』
その発売している国に合わせて作られています。
ですので、先ほどの『honor6 Plus』のように、日本のBandと合わない機体が多くあります。
また、カタログ上では、バンドが対応していても、その発売している国に合わせて、ローカライズ(国に合わせて変更すること)をしているので、実際には対応をしていないってケースも多々あります。
ですので、海外品を買う場合は、値段などに目を向ける前に色々と調べてから、買わなくてはいけません。
もし、そういった情報が自分では分からないなら、買わない方が無難です^^;
■今回のまとめ
格安スマホとして、SIMフリー機が当たり前のように販売されていますが、まだまだ消費者側の知識が付いてきていないのが現状です。
今回の通信バンドを理解している人は、まだまだ少ない状態。
日本で販売しているんだから、対応していて当たり前・・・
そんな風に思っている方が大半です。
説明をしっかりとしない、業者さんにも非がありますが、そういった情報を知っておかない消費者にも非はあります^^;
そんなに難しくは無いので、一度購入前に『通信バンド』を調べてみる癖をつけてみてはいかがでしょうか?
*今回は『ドコモ』さんの回線をしようした場合になります。
auさん、ソフトバンクさんは異なります。
機会があれば、この2社も含めてまとめてみたいと思います。
また『honor6 Plus』を批判しているように読めますが、しっかりと場所と用途を考えて使えばとても良い機体であることを、追記いたします。
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